新規ピラゾール化合物の植物に対する Peroxidizing 作用

• Published in: Journal of Pesticide Science 1995/05/20, Vol.20(2), pp.137-143
• Main Authors: 河野, 均, 荻野, 千冬, 飯田, 哲司, 高須賀, 清司, 佐藤, 幸治, 若林, 攻
• Format: Article
• Language: Japanese
• ISSN: 1348-589X; 0385-1559; 1349-0923
• DOI: 10.1584/jpestics.20.137

Scenedesmus 細胞とトウモロコシの protoporphyrinogen-IX oxidase を用いて, 最近合成された12種のピラゾール化合物の植物に対する peroxidizing 作用について調べた. その結果, 1-(4-chloro-2-fluoro-5-propargyloxyphenyl)-3,5-dimethyl-4-trifluoromethylphenyl pyrazole, 5-chloro-1-(4-chloro-5-difluoro-methoxy-2-fluorophenyl)-3,4-tetramethylenepy-razole の3種は, 10-6M濃度で Scenedesmus 細胞の生長を強く阻害し, クロロフィルの減少効果を引きおこした. 次にクロロフィル減少効果が, クロロフィル合成阻害によるか, あるいはすでに生成しているクロロフィルの過酸化分解によるものかを決めるために, 定量的な解析を行なった. その結果, 3種のピラゾール化合物は, protoporphyrinogen-IX oxidase を阻害し, protoporphyrin-IX を蓄積するばかりでなく, エタンを発生し, クロロフィルを減少させ, 生長を阻害した. 以上のことから, これらのピラゾール化合物は, peroxidizing 除草剤であることが確認された. ピラゾール環上の1-(4-chloro-2-fluoro-5-置換) phenyl 置換基は, 強い peroxidizing 除草剤を得るために重要なものと考えられる.