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茄子キシログルカンのキシログルカナーゼによる構造解析

茄子可食部細胞壁多糖類を常法に従い分画し,24%KOH抽出画分(ヘミセルロースII)からキシログルカン多糖を分離した.これに微生物由来の精製キシログルカナーゼを作用させオリゴキシログルカンを得た.これに,さらに精製イソプリメベロース生成酵素あるいはβ-D-ガラクトシダーゼを作用させた.得られたそれぞれの酵素加水分解物はパルスドアンペロメトリー検出器を用いた液体クロマトグラフィーおよびMALDI-TOF-MS分析に供した.キシログルカンを構成している主要オリゴ糖単位として,六糖(XXGG),七糖(LXGG,XLGG,XSGG)および八糖(LLGG,LSGG)が確認され,その比は35:43:22で...

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Published in:Journal of Applied Glycoscience 2004, Vol.51(2), pp.93-99
Main Authors: 加藤, 陽治, 小西, 照子, 肥田野, 豊, 三石, 安
Format: Article
Language:Japanese
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Description
Summary:茄子可食部細胞壁多糖類を常法に従い分画し,24%KOH抽出画分(ヘミセルロースII)からキシログルカン多糖を分離した.これに微生物由来の精製キシログルカナーゼを作用させオリゴキシログルカンを得た.これに,さらに精製イソプリメベロース生成酵素あるいはβ-D-ガラクトシダーゼを作用させた.得られたそれぞれの酵素加水分解物はパルスドアンペロメトリー検出器を用いた液体クロマトグラフィーおよびMALDI-TOF-MS分析に供した.キシログルカンを構成している主要オリゴ糖単位として,六糖(XXGG),七糖(LXGG,XLGG,XSGG)および八糖(LLGG,LSGG)が確認され,その比は35:43:22であった.[XXGG等はFryらによるキシログルカンオリゴ糖の表示法で,主鎖の各(1→4)-β結合のグルコース残基の分岐様式により一文字コードで示される.G=β-D-Glc,X=α-D-Xyl-(1→6)-β-D-Glc,L=β-D-Gal-(1→2)-α-D-Xyl-(1→6)-β-D-Glc,S=α-L-Ara-(1→2)-α-D-Xyl-(1→6)-β-D-Glc].さらに,茄子科植物に属するピーマン,唐辛子,トマトのキシログルカン多糖の構成オリゴ糖単位を調べた結果,六糖(XXGG),七糖(LXGG,XLGG,XSGG)および八糖(LLGG,LSGG)の比は,それぞれ40:37:23,41:34:25,45:37:18で,いずれも,茄子のキシログルカンの構成オリゴ糖単位組成と類似していた.キシログルカンに特異的なβ-1,4-D-グルカナーゼ(キシログルカナーゼ)を用いることにより,分岐率の低いキシログルカンの構成オリゴ糖単位を明確にすることが可能となった.
ISSN:1344-7882
1880-7291
DOI:10.5458/jag.51.93