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原子間力顕微鏡によるウシ正常および先体反応精子の微細構造の検討

本研究では、原子間力顕微鏡(AFM)を用いたウシ凍結・融解および先体反応精子の頭部の表面形状を検討した。また、精子頭部の正中断面積の数値的解析についても検討を加えた。ウシ凍結・融解精子を洗浄し、heparinによる受精能獲得およびlysophosphaidylcholine (LPC)による先体反応誘起を行い、カバ-ガラスに塗抹、風乾後、dynamic force (apping) modeによるAFM観察を行った。洗浄精子をAFMで観察したところ、先体、赤道節、先体後域および頚部の明瞭な表面形状が観察できた。受精能獲得した精子においても先体の形状に変化はみられなかった。LPCで処理したほとん...

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Published in:The Journal of reproduction and development 2005-04, Vol.51 (2), p.293-298
Main Authors: 佐伯, 和弘, 住友, 範生, 永田, 由紀, 加藤, 暢宏, 細井, 美彦, 松本, 和也, 入谷, 明
Format: Article
Language:Japanese
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Description
Summary:本研究では、原子間力顕微鏡(AFM)を用いたウシ凍結・融解および先体反応精子の頭部の表面形状を検討した。また、精子頭部の正中断面積の数値的解析についても検討を加えた。ウシ凍結・融解精子を洗浄し、heparinによる受精能獲得およびlysophosphaidylcholine (LPC)による先体反応誘起を行い、カバ-ガラスに塗抹、風乾後、dynamic force (apping) modeによるAFM観察を行った。洗浄精子をAFMで観察したところ、先体、赤道節、先体後域および頚部の明瞭な表面形状が観察できた。受精能獲得した精子においても先体の形状に変化はみられなかった。LPCで処理したほとんどの精子において、naphhol yellow S およびeryhrosin Bで染色後の光学顕微鏡による観察と同様に、AFM観察においても先体がみられなかった。先体反応精子の先体域の正中断面積(2679±616pixels)は、正常精子(4535±174 pixels)より約40%小さかった(P<0.05)。以上より、AFMを用いることでウシ精子頭部の表面の微細構造を観察できるとともに、その数値化も可能であることが示された。
ISSN:0916-8818