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ペルオキシダーゼによるフェノール性配糖体の酸化重合

西洋ワサビペルオキシダーゼを用いて行った,フェノール性配糖体の酸化重合について概説した.ヒドロキノンの配糖体であるアルブチンとα-アルブチンは過酸化水素の添加に伴って同様に重合することが判明した.反応経過をモデル化することで基質と重合物の消長,および二量体の少量の蓄積について実験を理論的に再現できるようになった.重合体はアグリコンの3´位と5´位がC-C結合したものであり,その重合度は7-17程度であった.二量体は広いUV領域の光を吸収するだけでなく,強い蛍光を発するという際立った性質が認められた.2段階の酵素反応,すなわちアルブチンの配糖化と酸化重合によって,さまざまな種類の糖鎖を有する重合...

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Bibliographic Details
Published in:Journal of Applied Glycoscience 2007, Vol.54(2), pp.157-161
Main Authors: 木曽, 太郎, 品川, 勉, 渡瀬, 星児, 小林, 靖之, 静間, 基博, 村上, 洋, 桐生, 高明, 中野, 博文
Format: Article
Language:Japanese
Online Access:Get full text
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Description
Summary:西洋ワサビペルオキシダーゼを用いて行った,フェノール性配糖体の酸化重合について概説した.ヒドロキノンの配糖体であるアルブチンとα-アルブチンは過酸化水素の添加に伴って同様に重合することが判明した.反応経過をモデル化することで基質と重合物の消長,および二量体の少量の蓄積について実験を理論的に再現できるようになった.重合体はアグリコンの3´位と5´位がC-C結合したものであり,その重合度は7-17程度であった.二量体は広いUV領域の光を吸収するだけでなく,強い蛍光を発するという際立った性質が認められた.2段階の酵素反応,すなわちアルブチンの配糖化と酸化重合によって,さまざまな種類の糖鎖を有する重合体を合成することが可能になった.さらに,アルブチンと2,5-ジヒドロキシ安息香酸とのカップリングによって新たな配糖体を合成することができた.
ISSN:1344-7882
1880-7291
DOI:10.5458/jag.54.157