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完全独立型緩和ケア病院で理学療法を受けた脳卒中後重度片麻痺を合併する終末期がん患者のADLとQOLの経過 : 一症例報告

要旨: 〔目的〕完全独立型緩和ケア病院で, 理学療法を受けた脳卒中後重度片麻痺を合併した終末期がん患者一例の日常生活動作(ADL)と生活の質(QOL)の経過を報告する. 〔対象と方法〕脳卒中発症を契機に肺腺癌, 脳転移, 多発性肺転移と診断され, 脳卒中後重度片麻痺を呈した60歳代男性を対象とした. 全身状態はパフォーマンスステータス4と診断され, 完全独立型緩和ケア病院へ転院した. 〔結果〕転院後の理学療法開始時(第51病日)のADLは, 機能的自立度評価法運動項目は23点, 認知項目は31点, 包括的QOL尺度短縮版で計測したQOLは26点であったが, 8週間後, 機能的自立度評価法運動項...

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Published in:理学療法科学 2023-08, Vol.38 (4), p.307-312
Main Authors: 齋藤恒一, 伊藤和寛, 山口和輝, 海野知美, 渡部秀樹
Format: Article
Language:Japanese
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Description
Summary:要旨: 〔目的〕完全独立型緩和ケア病院で, 理学療法を受けた脳卒中後重度片麻痺を合併した終末期がん患者一例の日常生活動作(ADL)と生活の質(QOL)の経過を報告する. 〔対象と方法〕脳卒中発症を契機に肺腺癌, 脳転移, 多発性肺転移と診断され, 脳卒中後重度片麻痺を呈した60歳代男性を対象とした. 全身状態はパフォーマンスステータス4と診断され, 完全独立型緩和ケア病院へ転院した. 〔結果〕転院後の理学療法開始時(第51病日)のADLは, 機能的自立度評価法運動項目は23点, 認知項目は31点, 包括的QOL尺度短縮版で計測したQOLは26点であったが, 8週間後, 機能的自立度評価法運動項目は移乗動作のみ改善し28点, QOLは39点へと改善した. 〔結語〕脳卒中後重度片麻痺を合併した終末期がん患者への理学療法により, 移乗動作の介助量軽減やQOLの向上が得られた一症例を経験した.
ISSN:1341-1667