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関節固定がヒラメ筋および腓腹筋コラーゲンの可溶性に及ぼす影響

我々はこれまでに, 関節固定がラットのヒラメ筋とアキレス腱に及ぼす影響を生化学的手技を用い検討してきた. 今回, 我々はヒラメ筋とともに足関節の可動域に影響を及ぼすと考えられる腓腹筋について, 7週間の固定がラットの腓腹筋コラーゲン線維の可溶性にどの様な影響を及ぼすのか, ヒラメ筋と比較検討することを目的とした. その結果, 7週間の固定によりヒラメ筋・腓腹筋ともに組織中のヒドロキシプロリン量の増加, 塩可溶性コラーゲンの減少, ペプシン可溶化率の減少を認めた. ヒドロキシプロリン量の増加から組織中コラーゲン量の増加が, 可溶性変化からコラーゲン線維中の架橋結合の数や強度の増加が推察された....

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Bibliographic Details
Published in:Journal of the Japanese Physical Therapy Association 1999, Vol.2 (1), p.25-29
Main Authors: 須釜 聡, 立野勝彦, 灰田信英
Format: Article
Language:Japanese
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Description
Summary:我々はこれまでに, 関節固定がラットのヒラメ筋とアキレス腱に及ぼす影響を生化学的手技を用い検討してきた. 今回, 我々はヒラメ筋とともに足関節の可動域に影響を及ぼすと考えられる腓腹筋について, 7週間の固定がラットの腓腹筋コラーゲン線維の可溶性にどの様な影響を及ぼすのか, ヒラメ筋と比較検討することを目的とした. その結果, 7週間の固定によりヒラメ筋・腓腹筋ともに組織中のヒドロキシプロリン量の増加, 塩可溶性コラーゲンの減少, ペプシン可溶化率の減少を認めた. ヒドロキシプロリン量の増加から組織中コラーゲン量の増加が, 可溶性変化からコラーゲン線維中の架橋結合の数や強度の増加が推察された. 以上の結果から, 7週間の関節固定においては, ヒラメ筋および腓腹筋ともに組織の柔軟性が低下する方向へ移行していると考えられ, その程度には違いがないと推察された.
ISSN:1344-1272