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虚血発症頭蓋内内頚動脈解離に対するステント留置術

【目的】虚血発症の頭蓋内内頚動脈解離は稀な病態であり,確立された治療方針がない.我々は,ステント留置により良好な予後が得られた3症例を報告する.【方法】虚血発症頭蓋内内頚動脈解離に対してステント留置術を行った連続3症例を後方視的に検討した.【結果】ステント留置術施行の理由は,急速に進行する重症脳虚血症状が2例,抗血栓療法施行中の脳梗塞再発が1例であった.使用ステントは,全例冠動脈用バルーン拡張型ステントであった.解離に伴う血管撮影上の異常所見は,全例でステント留置により解消された.平均38.7ヵ月間の経過観察期間中,脳卒中の再発はなく,ステント内再狭窄も認められなかった.最終経過観察時の臨床転...

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Bibliographic Details
Published in:Journal of Neuroendovascular Therapy 2012, Vol.6(3), pp.164-174
Main Authors: 近藤, 竜史, 松本, 康史, 鈴木, 一郎, 菊池, 登志雄, 清水, 宏明, 藤原, 悟, 高橋, 明, 冨永, 悌二
Format: Article
Language:Japanese
Online Access:Get full text
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Description
Summary:【目的】虚血発症の頭蓋内内頚動脈解離は稀な病態であり,確立された治療方針がない.我々は,ステント留置により良好な予後が得られた3症例を報告する.【方法】虚血発症頭蓋内内頚動脈解離に対してステント留置術を行った連続3症例を後方視的に検討した.【結果】ステント留置術施行の理由は,急速に進行する重症脳虚血症状が2例,抗血栓療法施行中の脳梗塞再発が1例であった.使用ステントは,全例冠動脈用バルーン拡張型ステントであった.解離に伴う血管撮影上の異常所見は,全例でステント留置により解消された.平均38.7ヵ月間の経過観察期間中,脳卒中の再発はなく,ステント内再狭窄も認められなかった.最終経過観察時の臨床転帰は,mRS 1が2例,mRS 2が1例であった.【結論】今回の検討において,ステント留置術が,虚血発症頭蓋内内頚動脈解離に対する有効な治療法となる可能性が示唆された.
ISSN:1882-4072
2186-2494
DOI:10.5797/jnet.6.164