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サルモネラ菌による感染性胸部下行大動脈瘤破裂の1救命例

症例は66歳, 男性. 4カ月前から不明熱があり, 胸痛, 血痰を来し入院した. 炎症所見があり, 喀 痰及び糞便の細菌検査からSalmonella enteritidisを検出した. 胸部造影CT検査にて胸部下行大動脈から左肺下葉に突出した動脈瘤を認め, 感染性胸部下行大動脈瘤破裂と診断し緊急手術を施行した. 腋窩‐両側大腿動脈間バイパス術を施行した後に左後側方開胸すると, 胸部下行大動脈は左肺下葉に破裂して仮性動脈瘤を形成していた. 胸部下行大動脈の縫合閉鎖, 左下葉切除術を施行したが, 腋窩‐両側大腿動脈間バイパスグラフトでは腹部内臓分枝への血流が不十分であり, 上行大動脈‐腎動脈下腹部...

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Published in:The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY 1998-02, Vol.46 (2), p.231-235
Main Authors: 田淵篤, 稲田洋, 村上泰治, 正木久男, 石田敦久, 藤原巍
Format: Article
Language:Japanese
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Description
Summary:症例は66歳, 男性. 4カ月前から不明熱があり, 胸痛, 血痰を来し入院した. 炎症所見があり, 喀 痰及び糞便の細菌検査からSalmonella enteritidisを検出した. 胸部造影CT検査にて胸部下行大動脈から左肺下葉に突出した動脈瘤を認め, 感染性胸部下行大動脈瘤破裂と診断し緊急手術を施行した. 腋窩‐両側大腿動脈間バイパス術を施行した後に左後側方開胸すると, 胸部下行大動脈は左肺下葉に破裂して仮性動脈瘤を形成していた. 胸部下行大動脈の縫合閉鎖, 左下葉切除術を施行したが, 腋窩‐両側大腿動脈間バイパスグラフトでは腹部内臓分枝への血流が不十分であり, 上行大動脈‐腎動脈下腹部大動脈間バイパス術を施行した. 術後対麻痺を併発したが, 3カ月間クロラムフェニコール系抗生剤及びノイキノロン系抗菌剤投与を行い, 再発なく順調に経過した.
ISSN:1344-4964