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高齢者不完全型心内膜床欠損症の1治験例

症例は72歳, 女性. 1996年5月から労作時呼吸困難が出現し12月に起座呼吸となり入院となった. 精査で不完全型心内膜床欠損症, 僧帽弁閉鎖不全症, 三尖弁閉鎖不全症と診断した. 手術は心房中隔一次孔欠損パッチ閉鎖術, 僧帽弁置換術, 三尖弁輪縫縮術を施行し経過順調である. 高齢者の心内膜床欠損症に対する手術例は非常に少なく, 72歳での根治術は文献上最高齢と思われる. 報告例をみる限り高齢者においても術後経過は順調であり, quality of lifeの著しい改善が認められ, 積極的に手術を行うべきであると考えられる. 今回, 72歳の不完全型心内膜床欠損症(以下ECD)・僧帽弁閉鎖不...

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Bibliographic Details
Published in:The Japanese Journal of THORACIC AND CARDIOVASCULAR SURGERY 1998-11, Vol.46 (11), p.1172-1176
Main Authors: 浅野宗一, 村山博和, 岡田吉弘, 瀬崎登志彰, 中川康次, 龍野勝彦
Format: Article
Language:Japanese
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Description
Summary:症例は72歳, 女性. 1996年5月から労作時呼吸困難が出現し12月に起座呼吸となり入院となった. 精査で不完全型心内膜床欠損症, 僧帽弁閉鎖不全症, 三尖弁閉鎖不全症と診断した. 手術は心房中隔一次孔欠損パッチ閉鎖術, 僧帽弁置換術, 三尖弁輪縫縮術を施行し経過順調である. 高齢者の心内膜床欠損症に対する手術例は非常に少なく, 72歳での根治術は文献上最高齢と思われる. 報告例をみる限り高齢者においても術後経過は順調であり, quality of lifeの著しい改善が認められ, 積極的に手術を行うべきであると考えられる. 今回, 72歳の不完全型心内膜床欠損症(以下ECD)・僧帽弁閉鎖不全症(以下MR)・三尖弁閉鎖不全症(以下TR)に対して外科的に根治手術を施行し, 良好な結果を得た. 高齢者ECD生存例では, 他に浜田らの77歳, 田畑らの73歳の報告があるが1)2), 手術症例では本例の72歳が最高齢と思われ, 60歳以上の不完全型ECD根治術11例とともに, 若干の考察を加え報告する.
ISSN:1344-4964