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腰痛と健康寿命の関係―National databaseからの算出

目的:本研究の目的は,本邦の医療統計データを利用して,腰痛や関節症を含む運動器疾患の平均寿命及び健康寿命に及ぼす影響を算出することである.方法:2016年の簡易生命票,人口動態統計,国民生活基礎調査,介護サービス施設・事業所調査と,2014年および2017年患者調査のデータを利用した.これらのデータから各疾患を除外した際の平均寿命および健康寿命を算出した.運動器疾患としては関節リウマチ,関節症,腰痛,骨粗鬆症,骨折が選択され,運動器疾患以外では,悪性新生物,虚血性心疾患,脳血管障害が選択された.結果:すべての運動器疾患において,除外しても平均寿命にはほとんど影響を与えなかったが,健康寿命は増加...

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Published in:Journal of Spine Research 2022/06/20, Vol.13(6), pp.838-843
Main Authors: 立之, 芳裕, 川戸, 美由紀, 森田, 充浩, 山田, 治基, 金治, 有彦, 中村, 雅也, 松本, 守雄, 橋本, 修二, 藤田, 順之
Format: Article
Language:Japanese
Subjects:
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Description
Summary:目的:本研究の目的は,本邦の医療統計データを利用して,腰痛や関節症を含む運動器疾患の平均寿命及び健康寿命に及ぼす影響を算出することである.方法:2016年の簡易生命票,人口動態統計,国民生活基礎調査,介護サービス施設・事業所調査と,2014年および2017年患者調査のデータを利用した.これらのデータから各疾患を除外した際の平均寿命および健康寿命を算出した.運動器疾患としては関節リウマチ,関節症,腰痛,骨粗鬆症,骨折が選択され,運動器疾患以外では,悪性新生物,虚血性心疾患,脳血管障害が選択された.結果:すべての運動器疾患において,除外しても平均寿命にはほとんど影響を与えなかったが,健康寿命は増加した.各疾患の不健康期間への影響を算出すると,悪性新生物を除外した場合,不健康期間が1年以上延びるのに対して,運動器疾患を除外した場合,全ての疾患で不健康期間を減少させ,特に腰痛と関節症を除外すると不健康期間が0.3~1.5年短縮した.考察:本研究結果から,運動器疾患は平均寿命には影響しないが,健康寿命に影響しており,特に腰痛と関節症が,健康寿命に大きく影響していることが判明した.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-0606