Loading…

胸・腰椎部の椎弓切除後の後方要素再建に於けるハイドロキシアパタイトの固定法の工夫

はじめに:胸腰椎部の硬膜内への手術アプローチにおいて両側椎弓切除後の後方要素を再建したい場合,ハイドロキシアパタイト(HA)を使用している.LAMIFIXを用いることで,HAの固定が容易になり手術時間が短縮できたので,その使用経験について報告する.対象・方法:対象は5例である.硬膜縫合後に椎弓切除されていない左右の椎弓外側部分にLAMIFIXのスクリューを挿入し,このスクリューヘッドに2号ナイロンでHAを結紮・固定して,棘突起をHAの上端に結紮する.この方法を,1例で3椎弓に,3例で2椎弓に,1例で1椎弓に用いた.結果:5例とも術後CTで椎弓の損傷やスクリューおよびHAの脱転は認めなかった.1...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in:Journal of Spine Research 2022/07/20, Vol.13(7), pp.946-951
Main Authors: 中村, 歩希, 工藤, 忠, 小野寺, 英孝, 榊原, 陽太郎, 小林, 博雄
Format: Article
Language:Japanese
Subjects:
Online Access:Get full text
Tags: Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
Description
Summary:はじめに:胸腰椎部の硬膜内への手術アプローチにおいて両側椎弓切除後の後方要素を再建したい場合,ハイドロキシアパタイト(HA)を使用している.LAMIFIXを用いることで,HAの固定が容易になり手術時間が短縮できたので,その使用経験について報告する.対象・方法:対象は5例である.硬膜縫合後に椎弓切除されていない左右の椎弓外側部分にLAMIFIXのスクリューを挿入し,このスクリューヘッドに2号ナイロンでHAを結紮・固定して,棘突起をHAの上端に結紮する.この方法を,1例で3椎弓に,3例で2椎弓に,1例で1椎弓に用いた.結果:5例とも術後CTで椎弓の損傷やスクリューおよびHAの脱転は認めなかった.12ヶ月後のCT(3例)においてもスクリューの脱転なく,良好な後方要素の再建が確認された.この方法により,硬膜縫合後創閉鎖までの時間が20~30分短縮された.考察・結語:椎弓外側部にスクリューを刺入することで,椎弓外側への展開や骨孔作成が不要になり,後方要素再建のためのハイドロキシアパタイトの固定が確実かつ簡素化できた.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-0709