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脊髄髄膜瘤閉鎖術においてU-shaped sutureを行った新生児の1手術例

はじめに:脊髄髄膜瘤(Myelomeningocele:MMC)は神経管閉鎖障害の中で頻度の高い疾患である.MMC閉鎖術における皮膚閉鎖法は,合併する突背,皮膚欠損の程度等により異なるが一定の見解はない.当科で手術した新生児MMCの皮膚閉鎖法について文献的考察を加え検討した.症例:正期産にて出生した女児.胎生28週時に胎児エコーにて異常を認め当院へ紹介された.胎児MRIにてMMC,突背,小脳下垂,水頭症を認め,38週1日に予定帝王切開にて出生した.出生時体重は2,892 g,頭囲は34.5 cm(+1.1SD),MMCの皮膚欠損範囲は50 * 62 mmであった.第2日齢にMMC閉鎖術を施行し...

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Published in:Journal of Spine Research 2022/07/20, Vol.13(7), pp.965-969
Main Authors: 伊藤, 清佳, 樋口, 一志
Format: Article
Language:Japanese
Subjects:
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Description
Summary:はじめに:脊髄髄膜瘤(Myelomeningocele:MMC)は神経管閉鎖障害の中で頻度の高い疾患である.MMC閉鎖術における皮膚閉鎖法は,合併する突背,皮膚欠損の程度等により異なるが一定の見解はない.当科で手術した新生児MMCの皮膚閉鎖法について文献的考察を加え検討した.症例:正期産にて出生した女児.胎生28週時に胎児エコーにて異常を認め当院へ紹介された.胎児MRIにてMMC,突背,小脳下垂,水頭症を認め,38週1日に予定帝王切開にて出生した.出生時体重は2,892 g,頭囲は34.5 cm(+1.1SD),MMCの皮膚欠損範囲は50 * 62 mmであった.第2日齢にMMC閉鎖術を施行した.神経管の各層の閉鎖後に皮膚をU-shaped sutureにて3回間欠的に牽引し一期的に良好な閉鎖を得た.結語:皮膚,筋膜全層の血流を温存でき,出血量を低減できるU-shaped sutureは皮膚の発達がまだ幼弱な新生児には侵襲が小さい利点があり,50 mm以上の皮膚欠損でも閉鎖が可能であると示されている.新生児MMC閉鎖術において,U-shaped sutureを行い良好な皮膚閉鎖を得た1例を報告した.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-0712