Loading…

重度成人脊柱変形の保存治療に関する検討

はじめに:腰椎変性側弯症における自然経過および保存治療の報告は散見されるが重度成人脊柱変形の保存治療に関する報告は少ない.本研究の目的は当科における同変形の保存治療を検討することである.対象と方法:当科で重度成人脊柱変形(Schwab分類でCobb角30°以上もしくはPI-LL>20°,SVA>9.5 cm,PT>30°)で2年以上の経過観察を行った27例(平均年齢:71歳)を後ろ向きに検討した.平均経過観察期間は5.4年で初診時と最終経過観察時で臨床評価(ODI,VAS,JOABPEQ)及び画像所見(Cobb角,全脊椎アライメント,側方すべり)を評価し,サブ解析としてCobb角≧30°群に関...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in:Journal of Spine Research 2022/11/20, Vol.13(11), pp.1217-1222
Main Authors: 吉江, 範親, 圓尾, 圭史, 有住, 文博, 木島, 和也, 楠川, 智之, 橘, 俊哉
Format: Article
Language:Japanese
Subjects:
Online Access:Get full text
Tags: Add Tag
No Tags, Be the first to tag this record!
Description
Summary:はじめに:腰椎変性側弯症における自然経過および保存治療の報告は散見されるが重度成人脊柱変形の保存治療に関する報告は少ない.本研究の目的は当科における同変形の保存治療を検討することである.対象と方法:当科で重度成人脊柱変形(Schwab分類でCobb角30°以上もしくはPI-LL>20°,SVA>9.5 cm,PT>30°)で2年以上の経過観察を行った27例(平均年齢:71歳)を後ろ向きに検討した.平均経過観察期間は5.4年で初診時と最終経過観察時で臨床評価(ODI,VAS,JOABPEQ)及び画像所見(Cobb角,全脊椎アライメント,側方すべり)を評価し,サブ解析としてCobb角≧30°群に関して検討した.結果:Cobb角は全体で1.6°/年の進行を認め,下肢痛及びしびれが有意に増悪した.JOABPEQの歩行機能・心理的障害が有意に低下するもMCID20以上の低下は認めなかった.画像所見ではTPA,SVAで増悪を認めた.Cobb角≧30°群では同角は2.4°/年の進行を認めた.結語:重度成人脊柱変形では5年間で画像所見はやや増悪を認めるも,臨床評価では増悪を認めなかった.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-1103