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MRIの予後不良因子を持たない新鮮骨粗鬆症性椎体骨折の保存加療における腰痛遺残リスク
はじめに:新鮮OVFのうちMRI予後不良因子(T2強調像で高信号限局型,低信号広範囲型)がないにも関わらず腰痛が遺残した症例について検討した.対象と方法:後ろ向きコホート研究.対象はOVFに対し保存加療を選択し,6ヶ月以上経過観察できた55例(平均年齢75.1歳,女性47例).MRIの予後不良因子を有する症例,馬尾・神経根の圧排を認める症例は除外した.6ヶ月時の腰痛VAS≧40の症例を腰痛遺残群(16例),その他を対照群(39例)に群分けした.評価項目は,初診時のX線動態撮影(座位・仰臥位側面)や全脊柱X線各種パラメーター,腰痛/臀部痛VAS,ODIを用いた.結果:単変量解析にて,初診時の臀部...
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Published in: | Journal of Spine Research 2023/05/20, Vol.14(5), pp.786-793 |
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Format: | Article |
Language: | Japanese |
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Summary: | はじめに:新鮮OVFのうちMRI予後不良因子(T2強調像で高信号限局型,低信号広範囲型)がないにも関わらず腰痛が遺残した症例について検討した.対象と方法:後ろ向きコホート研究.対象はOVFに対し保存加療を選択し,6ヶ月以上経過観察できた55例(平均年齢75.1歳,女性47例).MRIの予後不良因子を有する症例,馬尾・神経根の圧排を認める症例は除外した.6ヶ月時の腰痛VAS≧40の症例を腰痛遺残群(16例),その他を対照群(39例)に群分けした.評価項目は,初診時のX線動態撮影(座位・仰臥位側面)や全脊柱X線各種パラメーター,腰痛/臀部痛VAS,ODIを用いた.結果:単変量解析にて,初診時の臀部痛VAS(p=0.002),椎体可動角(p=0.047),TK(p=0.046),LL(p=0.031)に有意差があった.以上の有意な項目に年齢,性別,初診時腰痛VASを加えた多変量解析の結果,初診時の臀部痛VASが独立した腰痛遺残の危険因子であった(調整Odds比=1.526,p=0.019).結語:OVF受傷後6ヶ月時の腰痛遺残の危険因子は,初診時の臀部痛であった. |
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ISSN: | 1884-7137 2435-1563 |
DOI: | 10.34371/jspineres.2022-0050 |