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頚椎前方除圧固定術における術前ST介入による術後嚥下障害発生予測と予防効果の検討

はじめに:本研究は,術前のST介入による頚椎前方除圧固定術後嚥下障害の予防効果と,術前嚥下機能を含めた術後嚥下障害の発生リスク因子を調査した.対象と方法:STによる術前日の嚥下機能評価(舌圧,RSST;Repetitive Saliva Swallowing Test)の後に頚椎前方除圧固定術を受けた116例を対象とした.術後嚥下障害(+)群と(-)群にわけて,X線学的検討項目と術前日嚥下機能について比較検討した.また,ミエロ施行時にSTによる嚥下機能評価と嚥下訓練指導がなされた60例について,ミエロ時と術前日の嚥下機能を比較することで,術前嚥下訓練の有効性を検討した.結果:嚥下障害は,12....

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Published in:Journal of Spine Research 2024/01/20, Vol.15(1), pp.13-19
Main Authors: 伊藤, 陽平, 三原, 久範, 多々羅, 靖則, 新村, 高典
Format: Article
Language:Japanese
Subjects:
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Description
Summary:はじめに:本研究は,術前のST介入による頚椎前方除圧固定術後嚥下障害の予防効果と,術前嚥下機能を含めた術後嚥下障害の発生リスク因子を調査した.対象と方法:STによる術前日の嚥下機能評価(舌圧,RSST;Repetitive Saliva Swallowing Test)の後に頚椎前方除圧固定術を受けた116例を対象とした.術後嚥下障害(+)群と(-)群にわけて,X線学的検討項目と術前日嚥下機能について比較検討した.また,ミエロ施行時にSTによる嚥下機能評価と嚥下訓練指導がなされた60例について,ミエロ時と術前日の嚥下機能を比較することで,術前嚥下訓練の有効性を検討した.結果:嚥下障害は,12.9%(15/116例)に発生した.術後嚥下障害(+)群は,(-)群に比べて,高齢で,固定端がより上位で,術後C2-7角およびΔC2-7角が高値であり,舌圧とRSSTは有意に低値であった.ミエロ施行時のST介入に関して,舌圧は有意に改善したが,RSSTの値に有意差はなかった.結語:本研究より術前の嚥下機能が頚椎前方手術後の嚥下障害発生に関係することが示された.また,ミエロ時にSTによる嚥下指導を行うことで,手術施行時の嚥下機能を改善させる可能性が示唆された.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-0062